両親は無年金障害者

両親が無年金障害者となってしまった息子のつぶやき

『確認』3度目の入院 その4

 

はじめに  ブログを始めたわけ

 

3度目の入院 その1 その2

 

前回はこちら

 

lopapapapa.hatenablog.com

 

 

※本記事は気分を害する表現、刺激の強い表現が含まれます

お食事中の方、心臓の弱い方などはご遠慮ください

 

 

 

 

ドアを開け、音が漏れている

人の気配を感じたのか、少し安心した私

 

階段を一段上がるように、玄関から廊下へと足を踏み出します

 

前足を廊下にかけ、後ろ足はまだ玄関に付いた状態

半歩ほど踏み込んだ時に足が止まりました

 

 

異臭!!

 

 

ゆっくりと後ろ足を廊下に引き上げ、廊下に立ちます

明らかに普段とは違う臭いが混ざっています

 

廊下の先、左側のリビングとの閉まった引き戸からはテレビでしょうか、相変わらず音は漏れています

 

しばしその場で立ち竦む

 

逃げ出したい感情と向き合いつつも一歩、また一歩と引き戸に向かう

引き戸へ手をかけ、少し心を落ち着かせる

 

引き戸を開けると、大きめの音量で鳴るテレビ

強くなる異臭

 

タツが見え、足が見えます

足の先には、うなだれるように右側にうつぶせで倒れている母がいました

 

 

呆然とした中で視線だけは一点、母の背中だけを眺めていました

 

時間にしてみれば、数秒のことだと思います

異臭で臆したのか、視界を風景のように捉えていた記憶があります

 

少しして、その風景の中の僅かな動きを脳が捉えます

 

母の背中が、僅かに動いていました

 

 

 

駆け足で背中に触れ、声をかけます

 

「どうしたの?」

 

「大丈夫?」

 

ありきたりの言葉しか、自分の口からは出てきませんでした

 

1月初旬、年始の寒さ

自分の心の中の音とは違い、周りは穏やかな静けさでした

 

 

何度目かの声かけで少し反応

喋ろうにも、声が枯れているようで音にならず

 

唇にはカサカサになった血痕も付いています

 

「み、    み  ず」

 

消え入る声で発しました

 

状況的に動かせそうにない、動かす勇気もなくコップに水とストローをら入れて、持って行きました

 

ストローを口に含み、少しむせました

水色のストローには乾いた濃赤模様 

 

「どうしたの?」

 

「大丈夫?」

 

私の口からは、変わらず意味のなさない言葉しか出てきません

 

 

自分一人では動かせない!!

 

 

「救急車を呼ぶからね」

 

母にそう伝え、受話器を取りました

 

 

3度目の入院 その5

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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